宗教二世問題とは?

宗教二世を取り巻く環境の変化

2022 年に厚生労働省が公表したいわゆる「宗教虐待Q&A」により宗教が原因であっても虐待は虐待であることが明確になり、この政府方針の表明を皮切りに多数の宗教二世たちが、過去に受けた過酷な虐待、及び、現在も続く深刻な生活上の支障について一気に声を上げ始めました。

虐待であることが明確にされる前には、宗教二世は当事者同士の支え合いや自助会と呼ばれる緩やかなコミュニティで、相互の虐待を理解し合い、精神的に支え合ってきました。

このようなコミュニティはあくまで個人の心理的傷を癒すことが目的ではありますが、虐待を受けた生い立ち等に起因する人間同士のトラブルが少なくなく、また専門家の支援も無いことから当事者同士で支え合うという目的が達成されない状況も多く見られました。

2022年以降、宗教二世が注目されるようになってから宗教二世の生きづらい状況は少しは改善されましたが、未熟な当事者同士のコミュニティでの支えあいに頼るしかない状況は変わらず、専門家によるサポートが十分に得られたりするなど、宗教二世の受けてきた虐待から立ち直るのに十分な自立支援社会にはなっていないと考えています。

参考 宗教虐待Q&A

宗教の信仰に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A概要(厚労省)

宗教の信仰に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A(厚労省)

スノードロップの考える宗教二世問題解決へのアプローチ

そのような背景のもと、スノードロップは宗教二世の虐待をなくすだけでなく、生きづらい状況を改善したり・自立したりするために、以下のような事業を行おうとしています。

①行政府、立法府への情報提供や働きかけ

②宗教二世を支援する専門家への啓発活動

宗教二世問題を分かりやすく絵で解説しました。

輸血拒否カード

輸血拒否のカードを首から下げさせられて、持ち歩いていた子ども時代。

病気になったり事故に遭って、緊急で輸血が必要になっても、適切な医療処置を施されることなく私は死ぬ。

「母親は子どもの命を救うことよりも信仰を選んだ」と気がつかされた時の、絶望と見捨てられた感。

宗教虐待Q&A問4-5。

「輸血を拒否する旨の意思表示カード等を携帯することを含む」→ネグレクトに該当。

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

鞭(ムチ)による身体的虐待

平然と行われていた体罰。

親の言うことを聞かない子どもたちは、靴べらやゴムホース、定規で、お尻を叩かれました。

鞭(ムチ)で叩かれると、子どもはどうなっていくか想像できますか?

ムチが何度も繰り返されると、自分の考えを持たなくなり抜け殻となっていきます。

ムチという体罰は子どもを恐怖に陥れ、無気力にさせ、考える力を奪い、宗教と親の権力に容易に洗脳させる方法です。

宗教も親も、この行為を、子供が悪の道に進まないように行なっている「愛のある懲らしめのムチ」といいます。

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

学校行事への参加制限

問4-6より。

「信仰する宗教の教え・決まり等を理由として児童が様々な学校行事等に参加することを制限するような行為」

→心理的虐待、またはネグレクトに該当。

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

「地獄に落ちる」「滅ぼされる」恐怖の刷り込み

問3-1より。

「滅ぼされる」などの言葉や恐怖をあおる映像

・資料を用いて児童を脅かすこと、恐怖の刷り込みを行うこと。→心理的虐待に該当

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

布教活動の強制

問3-5より。

「児童の保護者が、宗教の布教活動について繰り返し児童を参加させる行為」→心理的虐待に該当/労働基準監督署と連携して対応する必要あり。

少年の頭の中。体験した人にしか分からない苦しみ。本来ならば勉強や遊びの時間。どれだけ宗教活動に、無報酬で捧げてきたのか。親の思想なのに、子供が布教する理由。←家の人が断りにくいから。時には激しく怒鳴られる。

これを虐待と言わずしてなんと言うのだろう?

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

性的虐待

問5-2より。

「児童に対して自身の性に関する経験を他者に開示することを強制する行為」→性的虐待に該当。

婚前交渉は教義に反するため、男性信者のみの前(審理委員会と呼ばれる)で、罪の内容を説明しなければならなかった。

本項目に関するJW虐待被害アーカイブによる調査結果はこちら。

大学などの高等教育への否定的な教え・実質的制限

問4-3/4-8より。

宗教上の教義等を理由とし「世界は破滅するので、学校に行くことは無駄である」など諦めさせようとする・・など進学を実質的に制限するような行為。

→心理的虐待に該当。

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

年齢に見合わない性的表現の学習

問5-1より。

「宗教の教義等を学ぶための教育などと称し、児童に対し、その年齢に見合わない性的な表現を含んだ資料を見せる行為や、口頭で伝える行為」

→性的虐待に該当。

本項目に関するJW虐待被害アーカイブによる調査結果はこちら。

宗教活動等への参加を強制するような行為

問2-3より。

「長時間にわたり…姿勢を強要する等して身動きができない状態」「児童の就学や日常生活に支障が出る可能性がある時間帯まで宗教活動等への参加を強制するような行為」

→ 身体的虐待、ネグレクトに該当

本項目に関するエホバの証人問題支援弁護団による調査結果はこちら。

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